コトラーの4つの競争地位戦略

<コトラーの4つの競争地位戦略>
 マーケティング戦略を考えていく上で、業界地位を考慮しておくことは大変重要です。業界の地位に見合った戦略をとることで、企業の体力の消耗や顧客満足への阻害を防ぐことができるからです。

企業の業界地位は大きく次の4つに分けられます。

リーダー・・・市場においてナンバー1のシェアを誇る企業
チャレンジャー・・・リーダーに次ぐシェアを保持し、リーダーに競争をしかける企業
ニッチャー・・・小さいながらも特定の市場で、独自の地位を築いている企業
フォロワー・・・リーダーやチャレンジャーの戦略を模倣して、市場での地位を維持している企業

分かりやすい事例として携帯電話の各社の戦略を挙げてみます。

【リーダー戦略】Docomo
 携帯業界においては、「リーダー」であったDocomoが取った戦略は“ブランド”を前面に出した差別化戦略と、他社が打ち出す戦略を、豊富な資金で同質化することである。また、低価格戦略には自ら持ち込ませず、自らのコストダウンを図るに留めるのも定石である。
 事実、Docomoが実施する戦略は、「どこでもつながるDocomo」を謳い、No.1ブランドであることを前面に打ち出している。更には、auの音楽ケータイを同質化しようと、新機種では音質や音楽ファイル再生機能の充実を強くPRしている。また、ソフトバンクの“想定外”の破格料金にも「特別に対抗価格は設定しない」と低価格競争には持っていかない方針を打ち出している。今回のDocomoの戦略はそういう意味では非常に定石通りの戦略だったと言える。

【チャレンジャー戦略】au
 また、「チャレンジャー」であるKDDI=auは、どのような戦略を取っているであろうか。チャレンジャーが取るべき戦略としては、まず第一に「弱者を叩く」ことである。即ち、自社より低シェアにあるソフトバンクのシェア伸長を防ぐのが最優先。更には、リーダーに対する差別化戦略を強化する意味で、特定のセグメント(顧客層)を取り込むことに注力し、実力を蓄えた上でリーダーに挑戦するというのが定石である。
 事実これまでのauの戦略を見ると、「音楽ケータイ」という全く新しいポジションを確立するとともに、学生を中心とするデザイン・安価を好むセグメントに“うける”機種や料金設定を徹底し、差別化してきた。やはりauにしてもマーケティング理論通りの戦略と言えるだろう。

【フォロワー戦略】ソフトバンク
 対する「フォロワー」であるソフトバンクはどうかと言うと、定石では、1)ナンバーワン企業の模倣をする、2)経済性セグメント(経済重視=安価重視の顧客層)をターゲットにする、の2通りが考えられる。電機業界では「AIWA」や「SOTEC」がこれらの戦略を実施している。
 ソフトバンクはというと、当初はDocomoの模倣を継続し虎視眈々と上位をうかがう姿勢を見せていたが、蓋を開けてみると経済性セグメントを獲得に動いたことが分かった。通話料・メール0円。新機0円。と言った戦術はまさにこの裏づけである。


弊社の戦略は以下のようにまとめてみた。
◆製品 : リーダーとの差別化
◆価格 : 価格維持・ただし思い切った高低価格設定もありうる
◆チャネル : 必要最小限
◆プロモーション : 媒体絞込み
◆課題・・・ブランド力向上、利益
◆方針・・・リーダーとの差別化

 ちょうどチャレンジャーとニッチャーの中間に位置している。リーダーとの差別化と価格維持に重点を置いてはいるが、チャネルやプロモーションについてはコスト逓減を主眼に置き、極力抑えた形態を維持している。
 製品・サービスについては真っ向からリーダーに挑戦しているが、反面、リーダー対チャレンジャー的な体力勝負には持ち込みたくないために、広告宣伝にかけるコストを極力抑えたニッチャー的な姿勢を保つ。果たしてこの戦略が妥当なのかどうか。

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投稿者 北山登志紀 : 2007年 06月 23日 00:01

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